私たちは、アートやクラフトの創造、詩を書くことが好きです。
2人とも子どもの頃から、絵を描いたり詩を作ることが生きることの一部だったのですが、
それぞれの人生の歩みの中で、その時々に自己表現の形や方法は変化してきました。
生活を成り立たせること、食べていくことに精一杯の間、しばらくそれらから遠ざかっていました。
2020年4月からのパンデミックによるロックダウンは、生活の様々な面に変化をもたらしましたが、
私たちにとっても大きな大きなターニング・ポイントになりました。
収入がほとんど無くなる状況(B&B業は完全にストップ、ポールの給料も政府補助の最低賃金)、
でも、時間はたっぷり。
そこで、私たちのアート&クラフト製作の趣味が復活しました。
ロックダウン中に製作した2人の絵を並べているうちに、「2人展とか、できるかもね」などと冗談交じりにつぶやいてみたけど、ギャラリーのレンタル料とか出せるわけもなく……
このロックダウンの年2020年は、私たちのNZ移住15周年、結婚30周年。
翌2021年は、ロトルアの和太鼓チーム「ロトルア楽鼓」結成15周年。
何か、節目になることをできたらいいな〜と思いを巡らせているうちに、
「展示会で私たちの道のりや太鼓チームの道のりを表現してみよう」
「展示会オープニングのパーティーの代わりに、ロトルア楽鼓15周年のミニ・コンサートも付けてみよう」
月替わりのアート展で地元のアーティストたちにギャラリーを貸し出してくれる”アート・ヴィレッジ”が、文化活動補助金の申請の手伝いもしてくれて、ギャラリーのレンタル料や材料費の一部などに充当できる目処がつき、展示会「Meet by Chance」の実現となりました。
ポールの絵画、自然木やリサイクル素材を使ったクラフト(オブジェなど)、
ヒロの油絵、水彩画、刺し子、
2人の詩
ロトルア楽鼓や「七夕祭り」の歩み・地域での活動を伝える写真
盛りだくさんの内容で、それまでのアート・ヴィレッジでの展示会では類を見ないようなマルチなジャンルになりました。
その後………
ぼちぼちと、気が向いたときに、それぞれの作品を作っています。
アート、クラフト、ポエム……その世界を自分たちの暮らしの中に取り戻したことを、
心から喜んでいます。
「NZに移住したら、美味しいヘルシーな食事とゆっくりした心洗われる時間を過ごせる、そんな小さなB&Bをやりながら暮らしたい」……それは、ポールの夢でした。その夢を実現しながら、15年間頑張って来ました。
「NZに移住して、いつか、食べていくことだけに追われない時が来たら、自分たちのアート作品を置く小さなギャラリーの一角を持てるといいな」……それは、ヒロがずっと思い描いていたことでした。
それに、ちょっとだけ近づいている今。
”食べていくこと”が一番大変な危機になったロックダウンが、この契機を与えてくれました。