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マタリキ・昴・勾玉・猿田彦(2)

マルチカルチャーの地域イベントでー古代日本とマオリをテーマに


「マタリキ」(マオリ新年)祝日の前日6月23日(木)に、ロトルア多民族協議会(Rotorua Multicultural Council, RMCと略)主催の地域イベントで、「ジャパニーズ・シェアランチ」が、ロトルア図書館で開催され、その世話役を依頼されました。

RMCは世界中の様々な国や地域からNZに移住し、ロトルア住人となった人たちをサポートしたり、多様な民族の文化交流の場などを設定している文化団体です。

私たちの和太鼓チームやアフリカンドラムのグループも「ドラミング・ロトルア」としてグループ・メンバー会員になっています。日本文化関係のイベントやアフリカ文化関係のイベント、学校などのドラム・ワークショップなどの依頼があれば、ボランティア参加しています。

 

このランチ・イベントは、RMCが毎月1回開いているエスニック・シェアランチの一環です。毎回一つの国や民族をテーマにして、文化紹介と伝統料理などを一緒に楽しむのが趣旨、誰でも参加できる無料イベントです。

 

6月のテーマがジャパニーズになり、たまたま日付が「マタリキ」祝日の前日になったので、このせっかくの機会、マオリ文化と日本文化のルーツの繋がりについてプレゼンテーションをすることにしました。

Japanといえば、世界中の人たちがイメージするのは、スシ、サムライ、ニンジャ、ゲイシャ、フジヤマ・・・または、ポップ・カルチャー。そんなステレオタイプはウンザリです。

 

NZに旅行したことのある日本人やNZ在住の日本人は、おそらくほとんどの人が、「親しみやすさ」「心地よさ」「親近感」などを感じると思います。NZの人たちが大らかで人が良いから……それは間違い無いのですが、それだけではない奥深い何か……

マオリ語の母音の発音が日本語と全く同じとか、日本語の擬音・擬態語によくある繰り返し音がマオリ語にも多いとか、マオリ族の顔立ちで日本の知り合いによく似た人がいると感じたり……

これは、一体、何なんでしょう?

 

実は、私なりの仮説があるのです。

NZ移住の時よりずっと前、10代前半の頃から、私は世界の先住民や少数民族について深い興味を持っていて、ポールと出会うよりずっとずっと前から、マオリやアボリジニについても一定の知識を持っていました。

それは、世界中の先住民が共通して持っている原始宗教(世界観・宇宙観)についての関心で、日本の原始宗教・古代神道についての関心と繋がっていました。

けれども、マオリと日本人のルーツについてただ事ならない絆を感じたのは、17年前のNZ移住後に「マタリキ」の意味・意義を知り、昴にまつわる古代日本の信仰とのつながりに思い当たった時です。

 

昴にまつわる古代日本の言い伝え、古代信仰につながる伝説などは、次回ブログで。

 

6月23日の「ジャパニーズ・ランチ」イベントは大盛況で終了しました。

RMCのFacebook記事によると、参加者は80人超(スタッフや日本人ボランティアで手伝ってくれた友人の皆さんは参加者名簿に記入しなかったかもしれないので……私とポールも準備でバタバタで記入し損なった…)、実際には90人はいたんじゃないかな?

私の未だにひどい発音と文法間違いだらけの英語で、日本語で説明してもややこしい内容を、果たしていろんな国・民族出身の人たちがどれくらい理解してくれるのか、全くのチャレンジでしたが、驚くくらいに反応があって、後から後からいろんな人たちが個人的にコメントを言いに来てくれたり、「マタリキにまさに相応しい素晴らしい内容のプレゼンだった、ありがとう」と握手してくれたり……

日本食ランチの方も、もちろん大好評で、あっという間にひとかけらも残らず、全部無くなりました。持ち寄りや会場準備を手伝ってくれた日本人ボランティアの友人たちは、例によって遠慮深く、列の最後の方で食べ物のテーブルに行った時は、ほとんど残ってなかったのです(シェアランチのイベントの世話役すると、だいたい、いつもこんな感じ)。

今回はスタッフ用に食べ物の取り置きをしておく余裕もなかったので、また別の機会に、さざんか亭で労いのパーティーをしようと思います。

 

 

 

 

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